[Washed Process] ウォッシュドプロセス

[Washed Process] ウォッシュドプロセス

今回は、スッキリ爽やかで万人受けするコーヒーの[Washed Process] ウォッシュドプロセスについてお届けする。

そもそも「ウォッシュド」とは何か、どんな特徴があるのか、何をウォッシュしているのか、など、この記事を読めばウォッシュドプロセスの基本がわかります。

 

LuLaLo Coffeeが取り扱っているウォッシュドプロセス商品

1. Catimor / Washed [Champasak Province]

2. Typica / Washed [Champasak Province]

3. Yellow Caturra / Washed [Salavan Province]

4. Yellow Caturra / Anaerobic Mossto Washed [Salavan Province]

5. Java / Washed [Sekong Province]

6. Typica/ Washed [XiengKhouang Province]

 ▼ INDEX
1. ウォッシュドプロセスとは?
2. どこからどこまでウォッシュするの?
3. ウォッシュドプロセスの派生系
4. アロマやフレーバーの特徴

 

 

1. ウォッシュドプロセスとは?

LuLaLao Coffeeが示す「ウォッシュド」は、「ウォッシュ」や「ウォッシュト」などと呼ばれることもあるが、基本的に同じ精製方法である。[Washed Process] ウォッシュドプロセスは、名前の通りコーヒー豆をウォッシュしてから乾かすプロセスである。


(写真:洗い)

LuLaLao Coffeeが定める「ウォッシュドプロセス」の定義は以下の通りである。

1. チェリーがパルピング(脱⽪)され

2. 果肉付きパーチメントの状態で⽔の中で発酵した後

3. 果皮・果肉の残りカスが綺麗に無くなるまで洗浄

4. 乾燥させる精製⽅法

基本的に、コーヒーチェリーは収穫後に一度全て水で洗われ、パルピング(果皮・果肉を剥がす)された後に、ミューシレージ(果肉)が付いたパーチメントの状態にする(詳細はコーヒーチェリーってなに?を参照)。この後に発酵段階を挟み、最後に水で洗わずに乾かすとハニープロセス、洗うとウォッシュドプロセスとなる。


(写真:洗い)

2. どこからどこまでウォッシュするの?

ウォッシュドプロセスの定義を押さえたところで、気になるのは[Fermentation]発酵の部分であろう。ミューシレージが付いたパーチメントの状態になってから、発酵させる方法は大きく分けて2つある。

1. 発酵槽に パーチメントだけを入れて発酵を促す
    発酵終了:粘着質なミューシレージが手につかなくなるまで

2. 発酵槽に パーチメントと水を入れて発酵を促す
    発酵終了:ミューシレージがパーチメントから剥がれるまで

*発酵槽とは、チェリーやパーチメントを発酵させる場所
 バケツであったり、コンクリートであったり、農園によって様々である。


(パーチメントを発酵槽内で洗う作業)

上記の違いは水を入れるかどうかである。どちらの方法にせよ、20時間から36 時間ほどで発酵を終える。できる限り長くゆっくり発酵させることがフレーバーの向上につながる一方で、36時間を超えるをカビが発生する危険が大幅に上昇する。また、あまりに短い発酵時間では、微生物が十分に発達する前に発酵を終えることになり、草のようなフレーバーが出来上がる。そのため、私たちは20時間から36 時間と設定している。

どちらもパーチメントより外側(ミューシレージ・果肉・果皮)を洗い流すという点では同じであるが、水を使うほど糖分が流れ出す(詳細は コーヒーチェリーってなに?を参照)。つまり、微生物の発達にとって必要な糖分が不足する可能性があるため注意が必要である。

また、1の方法で洗わずに乾燥工程に入ると、ハニープロセス(詳しくは[Honey Process]ハニープロセスについてを参照)となる。


(設備が整っていない農園では、このような大きなバケツを利用) 

3. ウォッシュドプロセスの派生系

 LuLaLao Coffee が力を注いでいるのは、[Mossto] モストを利用したウォッシュドプロセスである。モストとは嫌気性発酵を行なった際に出るコーヒーチェリーのジュースで、チェリーが発酵して柔らかくなり、さらに自重で押しつぶされて作られる(詳細は[Mossto] モストを参照)。

適切な環境の下で作られたモストには、熟したチェリージュースの糖分と、それをもとに発達した微生物が蓄積されている。つまり、発酵環境が始めから整えられているモストは、チェリーもしくはミューシレージ付きパーチメントの発酵にとって最高の状態だと言える。

このモストにチェリーもしくはパーチメントを漬け込み、最後にミューシレージを水で洗い流すことで、モストを利用したウォッシュドプロセスの派生系が生まれる。

 

このモストを舐めると、チェリーの甘さと酒粕のようなアルコール感、さらにピリっとした発酵感が舌に伝わる。これを体験したい方は、ぜひLuLaLao coffeeのコーヒーツアーに参加して欲しい(詳細は当ショップまたはInstagramにて随時案内)。

 LuLaLao Coffeeが今シーズンモストを使って精製したコーヒー
 Yellow Caturra / Anaerobic Mossto Washed [Salavan Province]
パイナップルやピーチ、アプリコットを乾燥させた紅茶のような華やかな印象。
少し温度が下がると、栗やキャラメルクッキーのような甘さが広がります。

 

3. アロマやフレーバーの特徴

ウォッシュドプロセスで生産されたコーヒーは、スッキリとした軽い口当たり、飲んだ後に鼻から抜けるフルーティー感が特徴的である。毎朝、寝起きの一杯にぴったりな「ウォッシュド」であるが、ランチ後にさっぱりしたい時もおすすめ。

LuLaLo Coffeeが取り扱っているナチュラルプロセス商品

1. Catimor / Washed [Champasak Province]

2. Typica / Washed [Champasak Province]

3. Yellow Caturra / Washed [Salavan Province]

4. Yellow Caturra / Anaerobic Mossto Washed [Salavan Province]

5. Java / Washed [Sekong Province]

6. Typica/ Washed [XiengKhouang Province]

上記は全てウォッシュドであるが、生産農園、精製方法によって大きく異なるため、商品ページにはアロマ・フレーバー・ボディなど詳細を記載いる。農園や精製風景、焙煎豆の写真と共にイメージを掴んでもらいた。それぞれの農家とLuLaLao Coffeeがどのような思いでコーヒー栽培を行なっているかを知ってほしい。「知る」「学ぶ」「飲む」を通して、ラオスのコーヒーを体験してもらいたい。

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未成熟コーヒー豆が与える影響は、コーヒー生産の各段階において無視できない重要な課題である。未成熟なコーヒー豆は、収穫、発酵、焙煎、などで問題を引き起こし、最終的なコーヒーのフレーバーに悪影響を与える。最終的に、どのように影響するかを理解することは品質向上のために極めて重要であるが、なぜ未成熟豆が問題なのかを説明した記事は少ない。 ここでは、最新の学術論文とLuLaLao Coffee 農園における実践を併せて、未成熟豆の特性とその影響について詳述し、コーヒーの収穫、発酵、焙煎の各プロセスでの最適な戦略を考察する。

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ここでは、最新の研究論文から得られた知見と、私たちの農園で実施している発酵プロセスの詳細、発酵の各段階でどのような管理を行っているのかを併せて解説する。

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