[Honey Process] ハニープロセス

[Honey Process] ハニープロセス

味・香りのバランスが良い精製「ハニープロセス」

3大精製方法の一つであるものの、「ウォッシュドプロセス」「ナチュラルプロセス」に比べると影が薄い。その要因の一つは間違いなく農家が嫌がるという点であり、ラオスにおいて生産量も少ない印象である。

しかし、「ハニープロセス」は「ウォッシュドプロセス」と「ナチュラルプロセス」の良いとこ取りであり、LuLaLao Coffee Flagship Cafe では最も人気のプロセスである。

そもそも「ハニープロセス」とは何か、どんな特徴があるのか、どこがハニーなのか、など、この記事を読めばハニープロセスの基本がわかります。

LuLaLo Coffeeが取り扱っているハニープロセス商品

1. [Sekong province] Java / Honey Process

2. [XiengKhouang province] Typica/ Honey Process

3. [Salaven province] Yellow Caturra / Anaerobic Honey Process

 

 ▼ INDEX
1. ハニープロセスとは?
2. どこがハニーなの?
3. ハニープロセスは農家泣かせ?
4. アロマやフレーバーの特徴

 

 

1.  ハニープロセスとは?

LuLaLao Coffeeが定める「ハニープロセス」の定義は以下の通りである。

  1. チェリーがパルピング(脱皮)され
  2. 果肉がパーチメントに付着した状態で
  3. 発酵・乾燥させる精製方法

世の中には、果肉の残り具合を調整することで「レッドハニー」「ブラックハニー」など、さまざまなハニープロセスが作り出されている。

ラオスのコーヒー農園において、数ミリのミューシレージを調整する技術・機械はなく、LuLaLao Coffeeは「ハニープロセス」とだけ記載している。

基本的に、コーヒーチェリーは収穫後に一度全て水で洗われ、パルピング(果皮・果肉を剥がす)された後に、ミューシレージが付いたパーチメントの状態にする(詳細はコーヒーチェリーってなに?を参照)。ここまではウォッシュドプロセスと同じである。

その後、屋外もしくはビニールハウス内で日光を利用して発酵が進み、同時に乾燥も進むことになる。生豆の水分値が11%前後になるまで2〜3 週間かけて、発酵・乾燥させる。


(写真:ミューシレージとパーチメント)


(写真:1週間後)


(写真:3週間後)

 

2. どこがハニー(はちみつ)プロセスなの?

この精製方法が「ハニープロセス」と呼ばれる理由には、発酵中のミューシレージからハチミツのような香りがする、ミューシレージの粘着度がハチミツみたい、ミューシレージの色がハチミツみたい...など、諸説ある。

毎年「ハニープロセス」のコーヒーを作る経験上、すべてその通りであると言える。

発酵中のミューシレージはハチミツそのもののというよりは、ハチミツトーストのような甘い香りである。また、ある程度まで乾燥が進むまでベトベトしており、一度触るとなかなか手から剥がれない。そして、初めは無色のミューシレージは、発酵することで徐々に黄色くなる。

読者には匂いを届けることができないのが残念であるが、写真から粘着具合や色を確認してもらいたい。


(水にミューシレージが溶けながらパルピングされている様子)

地域や品種によって大きく異なるが、[XiengKhouang province] Typica/ Honey Process はフレーバーの一つに蜂蜜のような香りを楽しむことができる。

他にも、[Salaven province] Yellow Caturra / Anaerobic Honey Processであれば、蜂蜜の香りの中に百合の花やチャンパーを連想させる白い花の香りがある。上品でありながら、しっかりと甘さが押し寄せるのが特徴的である。

3. ハニープロセスは農家泣かせ?

先にも述べたように「ハニープロセス」のミューシレージは粘着質で、 乾燥場をべとべとにする。

発酵・乾燥中は1日に3度パーチメントを天地返しするため、その度に手や器具がベトベトになる。さらに、乾燥ベッドにも付着することで、精製バッチごとに大掃除することになる。

また、天地返しが甘いと、パーチメントにカビが生える。発酵とカビは紙一重であるが、カビとは体に悪影響を与えるものであり、仕方なく廃棄することになる。どの精製においても失敗は付き物で、毎年数十キロが廃棄処分される。

農家・精製者として立場から言えば「ハニープロセス」が嫌いである。一方で、カフェやロースターとしての立場から言えば、甘さと酸味のバランスが良い「ハニープロセス」は大好きである

 

4. アロマやフレーバーの特徴

ハニープロセスで生産されたコーヒーは、スッキリしているものの、際立つ甘さがあり、とろっとした質感で、デザートのようなコーヒーである。

LuLaLao Coffeeでは、「ハニープロセス」と「アナエロビックハニープロセス」の2種類を扱っている。どちらも同じハニープロセスであるが、「ハニープロセス」は前述したように上品な甘さが押し寄せ、「アナエロビックハニー(アナエロビックについてはこちらを参照)」は、トロピカルフルーツを連想させる複雑な酸味を持ちながらも、スッキリした後味に仕上がっている。

LuLaLo Coffeeが取り扱っているハニープロセスのコーヒー

1. [Sekong province] Java / Honey Process

2. [XiengKhouang province] Typica/ Honey Process

3. [Salaven province] Yellow Caturra / Anaerobic Honey Process

上記は全てハニープロセスであるが、生産農園、精製方法によって大きく異なるため、商品ページにはアロマ・フレーバー・ボディなど詳細を記載している。農園や精製風景、焙煎豆の写真と共にイメージを掴んでもらいたい。

それぞれの農家がどのような思いでコーヒー栽培を行なっているか、また、「知る」「学ぶ」「飲む」ことを通して、ラオスのコーヒーを体験してもらいたい。

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